ITエンジニアのスキルアップ

ユーザーエクスペリエンスで人を幸せに。私が実践する「やりたい仕事を見つける方法」

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

ユーザーエクスペリエンス(UX)に可能性を感じ、人々を幸せに出来るような物を作りたいと夢を語る日系4世のアダムさん。その夢に至るまでには、母国アメリカでの経験だけでなく来日してからも一筋縄ではいかないチャレンジの連続でした。アダムさんがどのように自分のやりたい仕事を見つけることが出来たのかを伺いました。

自分が本当にやりたい仕事は何なのか?

私はアメリカ人で、生まれも育ちもアメリカですが、日系4世であること、また、6歳から和太鼓を習っていたこともあり、日本という国に少なからず縁を感じていました。
人の役に立つことがしたいと漠然と考えていた学生時代でしたが、絵を描くことが好きで、イラストレーターになれたらいいなと思っていました。
高校3年生の進路相談のときに専攻の希望を聞かれ、人の役に立ちたいと思う気持ちから医学を選択しましが、医学部でとらなくてはいけない科目が自分にはあまり合わないと感じ、もっと自分のやりたい仕事、自由にできる仕事を考えたのです。

ある日、スタンフォード大学に在籍する友人の話しを聞き、とても自由な校風と、綺麗な校舎があること、2年生までは自由に科目をとりながらゆっくりと自分の専攻を決めることが出来るという点などに大変魅力を感じ、入学することを決意しました。
スタンフォード大学にはいろいろな学部があり、もし希望があれば相談のうえ、自分がやりたい専攻を作ることも出来ましたし、留学制度もあったので、日系4世である私は日本にルーツを求めて留学もしてみたいと思いました。

スタンフォード大学入学後に見つかる未来への可能性

スタンフォード大学に入学後、2年生までは専攻をとらずに学び、3年生から自分の専攻を決めることができたので、ゆっくりと自分のやりたいことを探せました。
自分が元々好きだったイラストと、興味のあったコンピューターサイエンスを混ぜ合わせたような専攻を作りたくてカウンセラーに掛け合おうとしたのですが、履修科目などが足りずその願いは叶いませんでした。

大学3年生のときにはシンボリックシステムズ(コンピューターサイエンス+心理学+アート+哲学を掛け合わせたような学問)というスタンフォードにしかない学問を学んでいました。簡単にいうとコンピューターと人間の関係をより良くするための学問です。
その中でもヒューマンコンピューターインタラクションという学問に最も集中し、人間がどうやってテクノロジーを使ってユーザーエクスペリエンスを得るのか、コンピューターの秘めているパワーをどう活用していくか、ということを学びました。
このような様々な学問の勉強も非常に興味深かったのですが、私が大学時代に経験したことで一番心に残ったことは日本に留学したことでした。
なぜなら、私自身日系4世ということもあり、日本のことを分かっているつもりでしたが、実際は文化や環境の違いに大変戸惑ったからです。留学した際に気づいたことが2点あります。

1つ目は、日本人の学生とスタンフォード大学の学生では考えがまったく違うこと。
2つ目は、間違ったことや普通と違ったことをするということは、国や人種に関係なく一人ひとりの個性であり文化であること。

日本人とアメリカ人の学生の違いを感じたのは、日本人はリスクを恐れる傾向があり、アメリカ人にも保守的な人はいますが、私の周りにいた大学生たちは果敢にチャレンジをしていましたし、「とりあえずやってみよう!」という精神が大きかった気がします。日本にいると、考えすぎてしまったり、リスクを恐れたりする傾向があり、それは教育や環境、文化などいろんな要因があるのではないかと感じました。
そして当たり前のようなことですが、違うということや普通ではないということは主観的な意見であり、人はそれぞれ生まれた環境やバックグラウンドで常識というものは違ってくるということです。
日本人とアメリカ人だけでなく日本人と日本人でもアメリカ人とアメリカ人でも違うということはあります。
それは、個性であり文化であり環境の違いでもあると思います。それらは否定することではなく、理解することで大きく関係が変わるということに気づきました。
このことはユーザーエクスペリエンスと一緒で、使う人はそれぞれ違いますし、様々な人に合うインターフェースやコンテンツを作ることで、人々はもっと使いやすさや幸せを感じられのだと思いました。

大学を卒業後にも、1ヶ月間留学をするALC(アメリカンランゲージカルチャー)という留学プログラムのホストとして、多国籍の人々と交流をしました。
たった1ヶ月でしたが今まで接したことのない国の人と交流することで、とても親睦を深められ、1ヶ月がこんなに充実したものにできるのかという発見にもなりました。
このとき、1ヶ月という時間の濃さに気づくと同時に、時間というものには限りがあるため、どうやってその時間を使うのかということも大事だということに気づきました。

卒業後決心したのは和太鼓のプロになること

大学卒業後に本当に自分の好きなことは何だろうと考えたとき、幼少時代から習っている和太鼓が思い浮かびました。普通のサラリーマンになり安定をとるか、好きなことをして夢を追いかけるか、太鼓はとても好きではありましたが、本当にやりたい仕事かどうかは分からなかったのです。
ですが、後悔するくらいならやってみよう!とプロの道を歩むことを決心し、プロの和太鼓奏者としてスクールレッスンやパフォーマンスなどで、徐々にですが生計をたてられるようになりました。まだ、アメリカでは和太鼓の世界は歴史が浅く自分で道を切り開いていくしかなかったため、周りからは辛そうに見えたり、厳しいような印象があったかもしれません。実際、和太鼓のプロの道は厳しかったのですが、好きなことをしていたので辛いという気持ちはありませんでした。
そして和太鼓をやっていて一番喜びを感じる事は、やはり人の役に立てるという事です。
パフォーマンスをしたときに技術的なことではない何かを、ひとりでもお客様が感じてくれたり、悩みが吹き飛んだり、気持ちがスッキリしてくれる人が居たことが幸せであり、とても嬉しかったです。

留学や来日時の経験で自分の使命を見つける

ハワイでプロの太鼓グループに所属して1年半滞在し、その後更なる太鼓のスキルアップのために来日しました。
和太鼓と自分のルーツを探しに来日しましたが、日本でアメリカ人が和太鼓のプロになるには厳しい現実がありました。仕事もなく往復のチケットと観光ビザで来日したため3ヶ月間しか日本に滞在できず、長期間滞在するには3ヶ月の間に職を見つけ、就職しなければならなかったのです。
そこで英会話講師の仕事を見つけて就職することが出来、日本に滞在することが出来ました。英語を教えるのはとても楽しかったのですが、自分は英語を教える勉強はしてきていないし、私が教えていていいのだろうかということに疑問も持っていました。そんなとき、留学したときにインターンシップで働かせてもらった会社の社長さんが新しく立ち上げた、ITベンチャーの会社に誘われて転職することになり、iPhoneのアプリケーションの開発に携わることになりました。

社員5人の小さな会社でしたが、この仕事もとても楽しく、マーケティングやアプリを海外に発信したりしていました。そして、自分のやりたいことをもっと追求したいと思い、次は社員500人のIT系の会社に転職することにしました。
2年半ほどITインフラやブランドマーケティング、デザインの仕事を行い、やりたいことがはっきりと見えてきました。それはユーザーエクスペリエンスに関わる仕事にもっと集中し、人の役に立つサービスを作りたいということ。
さらに大手の大企業に転職し、UX関係の配属先を希望しました。ですが、実際に入ってみるとその部署にはいけず、エンジニアとプロダクトサイドの間を掛け持つプロジェクトマネージャーのような部署に配属になりました。ですが、何事もやってみなければわからないもので、この仕事も自分の糧となり、いい経験になりました。

そのよう経験からも、もっと自分にあう環境があるかもしれないと思い、今は前の会社のつながりで、現在の会社の社長との面接で考えが合い、働き方や環境も自分にあっていると感じられるB4Fという会社に転職をしました。
B4Fでは、MILLEPORTE(ミレポルテ)という上質なバイヤーセレクトの商品を時間限定のセールで提供するサービスを運営しています。こちらの会社の環境やシステムは自分にとても合っているし、UXの可能性をもっと広げられると感じています。

自分が本当にやりたい事を見つけるのは簡単ではないが、何かを変えることで見つかる未来がある

今後はさらにユーザーエクスペリエンスで人を幸せにできるサービスなどを作りたいと考えています。今はまだ一般的に普及していないような、お客様だけでなくお店側に立ったサービスなど、ユーザーエクスペリエンスにはまだまだ未知なる可能性が秘められていると思います。
ユーザーエクスペリエンスの考えと、和太鼓を演奏しているときには似ている点があります。それはどちらも人の役に立つ何かを目指しているということです。今考えると、今までやってきたことや、考えてきたことの根本には人の役に立ちたいということがありました。それに伴う経験全てが、いまの私の財産です。
現状に留まらず、何かを変えることで自分の本当にやりたい仕事が分かり、夢も広がるのではないでしょうか。

自分のやりたい仕事が分からないのは普通です!いろいろな経験をすることで自分にあった仕事が見つかると思います。
好きじゃない仕事が分かるのも経験であり、また様々な経験をすることで自分がやりたい仕事に近づけます。自分に合わなそうなことでも、恥ずかしいことでも、1回やってみることで自分の使命が見つかるかもしれませんね。

アダム写真
アダム戸田 (31)
経歴:

22歳・・・ハワイにて和太鼓のプロとして生活

24歳・・・日本にて英会話講師として勤務

25歳・・・ITベンチャーの会社に転職し、iPhoneのアプリケーションの開発を担当

26歳・・・KVHにてITインフラストラクチャーやブランドマーケティング、デザインに従事

30歳・・・大手IT会社にて、エンジニアとプロダクトサイドの間を掛け持つプロジェクトマネージャーを担当

30歳・・・B4FにてMILLEPORTEのUXを担当


充実度

充実度: 73点

業務上で成長実感やマンネリを引き起こす要因である6軸18項目を点数化した数値です。
インタビューイー様のキャリアの分岐点で、
その選択がどのような心理的な変化を産んだのかを点数化しております。

メッセージを送る

このインタビュー記事についてご意見、ご感想などありましたら、
ぜひメッセージをお送りください。

メッセージを送る