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仕事で忙しい人にこそ取り入れて欲しい!私が漢方の道を選んだ理由

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ずっと調剤薬局で働いていた東さんが仕事の場を漢方薬局に移すことになったきっかけとは。学生時代から遠い未来のビジョンより、すぐ目の前のことに一生懸命取り組んできた東さんが、なぜ漢方の道を選んだのかを伺いました。

学生時代は「将来のビジョンより目の前のことを」

小学校のころから理科という科目が好きで、将来科学に携わる仕事に就けたらいいなと漠然と思っていました。小学生のころは、夏休みの理科研究で洗剤やカビの研究などをしたりもしました。その思いをもとに、実際に薬学部へと進路を決めたのは高校3年の受験のときでした。

医療系にも興味があったのと、私は化学や生物の授業が楽しいと思っていたので、それが活かせる仕事がしたい、という思いから薬剤師という職業に興味を持ちました。でも、あのころは「絶対に薬剤師になりたい!」という強い思いはなかったですね。
薬学部に入ったあとは薬剤師の国家試験合格が目標でした。

薬学部に入ってもなお、「絶対に薬剤師になりたい!」と強く思っていたわけではなかったのですが、「この学部に入ったからには勉強しないと!」という思いはあり、頑張りました。

大学での授業は、物理、化学、生物などのレクチャー、実習、病理学、そして国家試験に向けての勉強が主なものでした。
大学のときは部活でチアダンスをやり、また1限から5限までは授業があったのでとても忙しく、大学生活は高校の延長のようでした。チアダンスはもともとやっていたわけではなく、大学からはじめました。チアダンスのサークルは同学年の子たちがつくったもので、地域に密着した活動が多く、サッカー部、野球部の応援や地元のお祭りに行って盛り上げる、というのが主な活動でした。

一方で勉強のほうでは、様々な授業の中でも動物を使って薬の反応を見る実習 に興味を惹かれていました。私は理論の話よりも実践に興味があったんですよね。そして、そのころから漢方、生薬の授業がおもしろそう、と思うようになりました。生薬は天然のものを原材料として使っています。漢方の考え方は、体全体のバランスをみて、人によって選ばれる薬が違うのでそこにもやりがいやおもしろさを感じました。この体験が、後々わたしが漢方という道を選ぶということにも繋がっています。

仕事に慣れること、そして慣れたあと

大学まで広島にいた私は、就職を機に東京にきました。一般的に、薬剤師の資格を取った人たちの主な就職先の選択肢としては、ドラッグストア、製薬会社、調剤薬局、そして病院などがあります。病院は、実習をしに行ったときにあまり自分には合わないな、と感じたので選択肢としては考えていませんでした。ドラッグストアと薬局は、大体の内容は同じなのですが、ドラッグストアは時間がシフト制だったりするので、最初は働きやすい方がいいかなと思い、調剤薬局を選びました。そして調剤薬局で働きだして、「早々に薬剤師になることを決めたけど、他の仕事でもよかったんじゃないか」と、ふと思うことがありました。

でもそのときはまだ、他になにがやりたいという希望や、今の仕事にやりがいがない、と思っていたわけではないのでただ漠然と「これでよかったのかな…?」という感じでした。

調剤薬局での主な業務は、先生から出された処方箋を見て内容に間違いがないかを確認し、薬をピックアップしてお客様に薬の内容や飲み方などを説明する、というものでした。

私は大学の時にアルバイトをした経験もなかったので、働きはじめはすごく大変でしたね。大学では現場感はあまりなくて、教科書を読んで勉強はしていましたが、実際に薬局で働くときのシミュレーションなどは大学では行わないため、働いてすぐに使える感じではありませんでした。現にやってみないとわからないこともたくさんあったので、仕事が忙しいと感じ、慣れるのに時間がかかりました。

でも、1年経って仕事も覚えてきてからは少し余裕が出てきて、気持ちにも変化が出てきました。薬に関しての知識が増えればそのぶんお客様にも様々なことを教えてあげられるので、感謝されることも増えて、やりがいを感じることが多くなりました。
一方、やりがいはあったのですが、ずっと同じところで働くことは考えていませんでした。なぜなら、やはり漠然とではありますが、「もっと違う世界や職場をみてみたい」という思いが消えなかったからです。そのころは薬剤師が不足していたこともあり、転職が多い業界だったので転職を自然と考えるようになりました。

お客様に専門性をもってアドバイスしたい

2年間勤務した職場を辞めたあと、私は海外に興味があったこともあり、半年間カナダやアメリカに行くことにしました。現地では観光をしたり、少しだけ学校にも行ったりしました。もし海外での生活が合えば、向こうで資格を取り直してやってみてもいいかな、という気持ちで行きました。

半年間という期間はあっという間でした。色々な経験をしてすごく楽しかったのですが、その間仕事をしていなかったので、「やっぱり社会で働きたい」という思いが大きくなり日本に帰国しました。そしてそのころには、やはり私は医療に携わる仕事をしていきたいと気持ちが固まってきていました。

帰国後は、せっかく勉強した語学を活かしたいと思い、医療系の翻訳の仕事をすることにしました。でも翻訳の仕事はどうしてもひとりでの作業が多くて「自分には合わないかもしれない」「やっぱり私は薬局でお客さんと接する仕事が好きなんだな」と思い、辞めることにしました。

それから別の会社に就職して、また調剤薬局で働きはじめました。業務内容は最初に働いたところとほぼ変わりませんでした。当時の薬局での仕事は、先生が処方したのでこれを飲んでください、といった感じでどちらかというと受け身な仕事が多かったのですが、私は薬剤師の立場から患者さんに有益な情報をもっと提供できるようになりたいと思っていました。業務内容は割と慣れていることもあり時間に余裕があったこと、さらに、もっと専門的な知識を増やしてお客さんにアドバイスできるようになりたいという思いから、学生時代から興味のあった漢方の認定薬剤師という資格を取得しました。

そのように漢方のことをもっと学ぼうと思っていたとき、現在働いている会社が主催している初心者向けの中医学セミナーが行われました。中医学とは、長い歴史のある中医薬学の理論と臨床経験に基づいた中国の伝統医学(中国漢方)で、その考えを取り入れている漢方の薬局では、私たち薬剤師のほうからお客様の体調に合わせて薬を提案することができます。セミナーを受けてみて、専門性を活かしてお客様にアドバイスすることのできる、より頼られる薬剤師になりたいという気持ちがさらに大きくなりました。だんだんと今の調剤薬局ではなく、「漢方薬局で働く」という選択に傾いてきていました。

そういうわけで、私は何年か前から転職を考えていたのですが、当時の職場にやりがいを感じないわけでもなく、生活も安定していたのでなかなか転職に踏み切れずにいました。でも自分の知識を活用して、お客様に対してもっともっと提案できるなら、そのことを通じて自分自身少しでも飛躍できるなら、これまでの仕事を辞めて、漢方という新たな分野で頑張ってみたいという思いもずっと持ち続けていました。

調剤薬局から漢方へ移る人は多くありません。また、漢方薬局の数は少ないためなかなか転職先が見つからなかったのですが、今の会社からちょうど空きが出たという連絡をいただき、運のめぐり合わせもあり、思いきって就職することになりました。

調剤薬局と漢方薬局でできることの違い

実際に漢方を扱う薬局で働いてわかったことなのですが、調剤薬局とは頼られ方が全然違います。調剤薬局で働いているときは先生方の処方箋が第一で、私たち薬剤師の意見はあまり求められていないことが多かったのですが、漢方薬局ではお客様一人ひとりの症状を聞いて、その方に一番適したお薬を自ら提案することができるのですごくやりがいがあります。今年の4月に入ったばかりなので、仕事が忙しいですが、これからもっと知識を増やしていきたいです。

漢方は、高齢者の方々には使っていただくことは多くても、まだ若い働き盛りの人たちにはなかなか馴染みがありません。でも、仕事が忙しい人たちにこそ取り入れて欲しいと私は思っています。漢方は上手く取り入れることで調子を整えることができるので、サプリメント的な感じでも飲んでいただけます。

使い方によっては短期間でも効果を実感できるものもあるので、もっとたくさんの方に漢方を取り入れて欲しいですね。
これからは、さらに漢方の勉強しつつ、いろいろな世代の方が漢方薬を身近に感じられるように、広めていく活動もしたいと思っています。

azuma
東まどか (31)
経歴:

22歳・・・薬局くだわら(調剤)にて処方箋の仕事を担当

25歳・・・財団法人日本医薬情報センターにて医療系の翻訳の仕事に従事

26歳・・・日本調剤センター(調剤)にて処方箋の仕事を担当

30歳・・・東西薬局(漢方相談薬局)にてお客様一人ひとりに合わせた漢方薬の提案を担当


充実度

充実度: 85点

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その選択がどのような心理的な変化を産んだのかを点数化しております。

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