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アパレル業界で独立。譲ることのできない想い

アパレル業界一筋に歩んできた久保田さん。これまでいろいろなことがあったと振り返ります。ファッションが人の心に何をもたらすのか?ビジネスにおける彼の信条とは何か?そして、彼が絶対に譲れない想いとは何かについてじっくりとお伺いしました。

私がアパレル業界に飛び込んだワケ

大学卒業から20年、ずっとアパレル関連の仕事をしてきました。
私がアパレル業界に入った理由は、スーツを着なくてもよかったから(笑) 実は私、尋常じゃないほどの汗かきでして、真夏は外にいるだけで全身びっしょり。
汗だくのスーツ姿で仕事をするのがイヤで、カジュアルな服装でできる仕事がいいなと考えていました。
新卒で中堅アパレルメーカーに就職し、最初の1年間はショップで販売員として勤務しました。
「やれる」という自信はありました。
高校は弓道部、大学はフェンシング部で主将を務めた実績から、コミュニケーション力はかなりのものだと思っていましたからね。
しかし、実際はまったく通用しませんでした。
販売実績が上がらないんです。
女性向けブランドだったこともあり、私以外のスタッフは店長も含めて全員が女性。
職場の人間関係に戸惑いましたし、またお客様とのコミュニケーションは学生同士のそれとは違うということを思い知りました。
「早く本部の内勤になりたい」ずっとそう思っていました。
2年目を迎え、本配属先が決定しました。
同期の男子6名のうち5名は営業部門へ、私だけが花形部署であるマーチャンダイズジング部門に配属となりました。
これは極めて異例の人事です。
マーチャンダイジング 部門はカテゴリー別に5人の専任担当がおり、ポストに空きはありませんでした。
どうしてもマーチャンダイジング部門に行きたかった私はあることを実行しました。
全社的に私の希望を伝えるべく、社長以下すべての社員が目を通している業界紙の作文コンテストに応募したのです。
掲載される保証はありませんでしたが、MDになりたいという思いのすべてを書き綴り応募。
幸いにも選考を通り、私の思いは全社的に知られることとなりました。
「面白い新人じゃないか、希望通りやらせてみてはどうか」そんな社長の一言で異例の人事が決まりました。

やってから考える

私は子どもの頃から、他人と同じでいるのはつまらないと思っていました。
中学時代、部活でバスケをやりましたが、自分にチーム競技は向かないと思いました。
まあそれほど上手くはなかったのですが、たまに自分がいいプレイをしてもチームが負ければまったく評価されないことに物足りなさを感じたんですね。
やはり結果がすべて自分への評価に繋がる(会社の人事考課で高評価される6つの視点)個人競技のほうが面白いのではないかと思いました。
そこで高校では弓道部に入部。
弓道部は学校一厳しい部と言われていましたが、きついとか辛いとか思ったことはありませんね。
結果をすべて自分の責任といて引き受けることができる弓道こそ自分にぴったりだと感じていましたから。
また、始めた時から、やるからには主将として部を率いたいとも思っていました。
リーダーというものに憧れていたのでしょう。
大学に進んでからはフェンシングを始めました。
なぜフェンシング部だったかと言えば、体育会でありながらも廃部の危機に瀕していたからですかね(笑) 潰れそうな部を立て直し盛り上げていけたらすごくドラマチックじゃないですか。
ここから再建していくのはヤリガイがありそうだと思いましたし、とにかく自分が自由にいろいろなことをやれそうだと思いました。
まずはやってみてから考えるという発想は、こうした学生時代の体験を通じて培われていったのではないでしょうか。

最初の転機 –アパレル業界で中小から大手へ転職するきっかけ-

マーチャンダイジング部門をスタートとして、後は短い周期で様々な部署へ異動しました。
一から仕事を覚えてはまたすぐ異動の繰り返しで、いつまでたっても下っ端のままでいることが不満でした。
何度目かの異動で営業に移ったのですが、そこでもっとも辛く、もっとも重要な体験をしました。
一人の上司が中途で入社されたのですが、的外れな指摘ばかりで現場を困惑させるという噂の人物でした。
ある日の会議のこと、あまりの酷さに耐えかねた私は彼に食ってかかり激しい口論に。
役員に盾ついたことへ報復人事としてかどうか分かりませんが、私は物流倉庫へ飛ばされました。
仕事はいわゆる倉庫業務で、店舗向けの商品発送業務全般です。
入荷した商品の荷卸し、パッケージ詰め、仕分けなど、やりたかった仕事とのあまりのギャップにだいぶへこみました。
倉庫勤務では様々な発見もありました。
業績が下向きになると、本社からは段ボールを梱包する際のガムテープの長さにも厳しくチェックが入ることや、現場でメインの戦力となっているパートさんとの人間関係を上手く構築しないとオペレーションが機能しないことなど、ここに来なければわからなかったことがたくさんありました。
そこはいい経験だったと思います。
私の異動に異を唱えてくれた上司・先輩のお陰もあり3ヶ月で元の職場に復帰しましたが、心はすでに会社にはなく、転職エージェントを使い大手アパレルメーカーへの転職を決めました。

ゼロイチの魅力–アパレル業界での中小と大手の違い-

同じMDではあっても、転職前後で仕事の内容は全く異なりました。
前職では特定の店舗向けに、現場ニーズに即した商品を開発していくという手づくり感を感じられるところがヤリガイでしたが、転職後は数十億単位のスケールの大きい仕事をオペレーションしていくところに魅力を感じましたね。
どちらも手応えはありましたが、自分としてはゼロイチで何かを作っていくことのほうが合っていると思いました。
転職から3年目、仕事がどんどんルーチン化していくことに飽きてしまい、このままではまずいと感じました。
ここはチャレンジするべきだと思い退職。
アクセサリーブランドを立ち上げました。
結論から言うとまったく食えなかったですね(笑) 知り合いの靴屋さんのお手伝いをしながら何とか食いつないでいました。
しばらくして、その靴屋さんが表参道ヒルズに新店舗を出すことになり、私を部長職として迎えたいとのオファーを頂きました。
すぐに快諾し入社。
その後は販売・販促・営業・人事・広報など、経理以外のすべてを担当。
とにかく働きました。
出店から4年が経ち売上は1億を超えるまでになりました。
自分としては一定以上の成果を残したつもりでしたが、会社からは満足のいく評価は得られませんでした。
私は事業のあらゆるところに深くコミットしていましたので、すべての責任は私に回ってくることに。
社長からのプレッシャーは日々激しくなり、やがて私は体調を崩してしまいました。
いわゆるパニック障害を発症し、人混みの中に身を置くことができなくなってしまいました。
これ以上は限界と悟り退職。
フリーのスタイリストとして活動を開始しました。
 

ファッションで人は変わる-アパレル業が秘める力-

独立後は、おもに俳優やタレントのTV出演時のスタイリスト業務を中心に活動。
担当したタレントさんから私服のコーディネイトを頼まれることも多く、プラベートのショッピングに同行することもあります。
最近は人との繋がりからどんどん仕事の幅が広がってきています。
担当したある作家さんより、「ファッションに無関心の友人がいるんだが彼を何とかしてくれないか?」との紹介を受け、私服のコーディネイトをお手伝いしたことがありました。
私との出会いをきっかけにオシャレに目覚めたというその男性、じつはある出版社のお偉いさんで、その方との縁からファッションコーデの本を執筆することになりました。
現在はスタイリスト業務に加え、専門学校の講師、ライター業務、ファッションブランド立ち上げのコンサル 業務など幅広くやらせてもらっています。
率直に言って、私は金儲けが下手くそです(笑) 儲けることよりも人に喜んでもらうことのほうが嬉しいと感じるのです。
だからお金にならないとわかっていてもイベントに呼ばれればどこへでも出向いて行きます。
人と出会い、喜んでもらうことがいつか自分に返ってくることを知ったからでしょうか。
今後の目標としては、まず今手掛けているコーデ術のシリーズ本を100万部売りたいですね。
一般的に、ファッションに関心の強い男性は少し鼻に付くと思われるようなので、それは払拭したいですね。
そしてすべて人にファッションを通じてアクティブなるきっかけを与えたいですね。
新しい服を手に入れたら、それを纏って出かけたくなりませんか?ファッションには人を動かす力があるのです。
いまどこかで引きこもりになっている人も、ファッションをきっかけに人生が変わるかもしれないと伝えたいですね。

久保田さん執筆の書籍はこちら

大人のための私服の教科書 [単行本]カジュアル好感度アップセミナー [文庫]カジュアル好感度アップセミナー [オーディオブックCD] カジュアル好感度アップセミナー はずさない男の私服コーデ術シリーズ

プロフィール

久保田 卓也(フランソワ)

久保田 卓也(フランソワ)

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経歴:

24歳 中堅のアパレル企業へ入社し販売の経験を積む

25歳 マーチャンダイズジング部へ配属

26歳 SVになり店舗運営に関するマネジメント業務や、本社と店舗の橋渡し業務を経験

27歳 雑貨のマーチャンダイズジングを経験

28歳 倉庫、営業へ異動

29歳 大手アパレルメーカーへ転職し、規模の大きな業務を経験

32歳 表参道ヒルズでの新店舗出展に伴う引き抜きにより転職

36歳 退社

39歳 フリーランスになり、俳優やタレントのTV出演時のスタイリスト業務を中心に活動

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