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職務中の禁煙はパワハラになるのか

世の中は喫煙者にとって肩身の狭い時代になってきました。レストランや駅などあらゆるところで“禁煙令”が出されています。さて、では会社が職務中の禁煙を喫煙者に強要することはアリなのでしょうか?

 

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“タバコ”を取り巻く現状

今、タバコの問題は非常にデリケートです。
昭和期にはどこで吸っていても誰も文句を言う人はいませんでした。
しかし、平成になると状況は次第に変化していきます。
健康志向、喫煙による健康被害の認知、タバコの値上げなどによって、非喫煙者は年々増加するようになり、喫煙者は社会的マイノリティとなったのです。
そんな流れもあり、一般企業においても“社内禁煙”を掲げるところが散見されるようになります。
「吸う場合は分煙室や屋外のみ」という形で、非喫煙者の受動喫煙による健康被害を失くそうという動きが進んでいます。

“禁煙の強要”はパワハラなのか? ~法的根拠から考察~

ここで、2つの疑問が生まれます。
それは「喫煙者の吸う権利は守られているのか」ということと、「そもそも法律上、そんな権利は存在するのか」という点です。
元々は個人が自由に楽しむ嗜好品として社会に合法的に出回っていたものを、会社の一存で禁止することは認められるものなのでしょうか。
非喫煙者を保護する側の声が大きい昨今、ここではあえて、職場における“喫煙者の吸う権利”について言及していきます。

“個人の自由”の根拠

喫煙に関するルールが曖昧なのは、“個人の自由”と“他者への迷惑”の境界ラインが曖昧だからです。
「タバコを吸うのは個人の自由だが、煙を嫌う人の迷惑になってはいけない」というのが今の世の中の喫煙に対する基本的な考え方でしょう。
“喫煙行為は個人の自由”と言える根拠は、日本国憲法第13条にある文言から見ることができます。
「…自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の行政の上で、最大の尊重を必要とする」 これはつまり、基本的にはタバコを吸うことが法律により罰せられる対象になっていないので、喫煙は個人が自由に選べる権利であると認められているということです。

“他者への迷惑”の根拠

「喫煙が他者に対して迷惑になるため、むやみやたらと吸ってはならない」と主張できる根拠は、憲法・法律の視点から2つあります。
1つは先ほど挙げた13条の文中にある、「公共の福祉に反しない限り」という部分(※1)。
そしてもう1つは、“健康増進法第25条”(※2)です。
※1…喫煙行為は昭和期には、「公共の福祉には反さない行為」だと認識されてきましたが、健康被害・依存性があることが世界的に認知され始めたため迷惑行為となりつつある。
※2…健康増進法第25条では、学校や病院、劇場、百貨店、飲食店などの公共の場所において、その施設の管理者は“受動喫煙を防止するための措置をとらなければならない”ことが努力義務として定められています。
→ 他人に迷惑をかける行為である。

ここまでのまとめ

ここまで紹介した喫煙に対する決まりをまとめると、おおむね次のようになります。
「喫煙自体は個人の自由なので禁煙は強要されないが、喫煙者と施設の管理者には受動喫煙に配慮する努力義務がある」 結局、戻り戻って一般論に返ってきたような感じですが、この“まとめ”は職務中の禁煙強要がパワハラかどうかを判断するための重要なポイントとなります。

“禁煙の強要”はパワハラなのか? ~結論~

さて、結論です。
ここまでの考察から見出される答えは、ずばり、「禁煙の強要はパワハラにもなり得る」です。
社内で“禁煙”の規則がないにもかかわらず、個人の喫煙の自由を奪い、禁煙を強要できる権利は誰にもありません。
それを認める法的な根拠が存在しないからです。
これを認めてしまうと、「よし、今日から職務中は絶対禁煙にする!違反者は評価を下げる!」という上司や社長の思い付きも通ることになります。
例外としては、“禁煙”が会社の規則として元々定められている場合は、それを喫煙者に強く要求してもパワハラにはなりません。
会社は努力義務を果たしているのです。
喫煙者も、入社時にその規則を承認しているはずですので、それに逆らって喫煙をするというのは社内倫理を乱す不当な行為と言えます。
ただし、それを理由に喫煙者に嫌がらせをするなどはもちろんパワハラです。
また、“強要”ではなく“配慮を促すこと”はパワハラには当たりません。
これも努力義務の範囲内だからです。
社会的にも受動喫煙の被害や煙の臭いを嫌う人がいることは十分認知されていますし、“非喫煙者の吸わない自由”を守るためにも、喫煙者に配慮を促すのは問題のない行為です。

さいごに

何よりも、喫煙者と非喫煙者が、職場で共に気持ちよく働くことができるのが一番です。
そしてその環境を整えるには、指導する側の賢い判断力と喫煙者側の配慮が求められます。

 

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